3DSってものすごいいいハードだと思っている。
寝転がりながらできるし、なにより小さい。DSのゲームもできちゃうすごいやつ。
LLだとちょっと大きい。愛らしいあのサイズと厚みが、ゲームガジェット感があってとっても愛いやつなのである。
でも3D表示はいらなかった。無理やり寄り目にさせられるような不快感があって、どうにも馴染めない。
私はSwitchは据え置きハードだと思っているので、もう1度DSくらいのハードを開発して、復活させてほしい。スマホでゲームっつーのはどうにもおっさんしっくりこない。現実の社会とつながりまくってるからゲームに没頭できない。
ゲームはその場で、その世界のみで消費したい。
つまり、携帯ハードを作ってほしいんだよ!!
Switch君は、DSにはなれない。バッテリー持ち悪いし、操作性悪いし。何よりバカデカ画面を外に持っていく気にはなれない。
スタバにMacbookもっていくレベルの目立ち度もいただけない。Macbookはインテリジェンスを感じるが、Switchはちょっと……INTよりもSTR感ない?
スタバでニヤニヤしながら『九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE』やってるおじさんなんて君たちも見たくないだろう?
気が付けばDSのソフトはもうレトロゲームに片足突っ込んでいるらしくて、なんか変にプレミアが付き始めてたり、異様に高いものがでてきたりするので、興味のあるものはすぐに買っておくようにして、ちょこちょこ遊んでいる。
そんな中、全く期待してなく、凡作かなぁと思ってたゲームが傑作だったので紹介する。
それが『ラジアントヒストリア』である。
何が刺さったか、お話していく。
1、時を超える巧みなストーリー展開
主人公は砂漠化が進む世界。東にある大国の諜報員ストック。
とある任務の遂行中、ストックは選択を間違え、仲間は死亡。ストックも瀕死の重傷を負う。その瞬間、上官より持たされた『白示禄』が光り輝く。
ストックは『白示禄』によって歴史の分岐点に戻る……過去に戻ることができるように。『白示禄』で過去を変えていくストック。そうして、自分をとりまく世界が明らかになっていく。
というのがざっとした概要。
いわゆるタイムトラベルもので、本作は、「正伝」、「異伝」という二つの歴史を行ったり来たりしながら、物語を進行させていくスタイルである。
どっかで聞いたことあるような……。
いいんだよ。この手のゲームは絶対面白いんだから!
正伝で進行の手詰まりが来れば、異伝に変化があって進行できるようになっていたりと、ストックの行動が両世界に大きく影響を及ぼしていく。
サブミッションなども、一見、「正伝」ではしょうもないお使いミッションだったと思っていたら、「異伝」では人の生き死に関わっているなんてこともある。
なんだか暗黒石を未来から古代にもってきたり、400年の草植えをロボを置き去りにまかせたりするあのゲームに似ているような気がするね。(あのシナリオほんっと怖い)
ストーリーは骨太で硬派。軍、レジスタンス、亜人も巻き込み、世界の命運を賭けて話が進行していく。王道ではあるのだが、そこに「正伝」、「異伝」でのそれぞれの葛藤があるため、文章にしてしまえば単純だが、プレイすると思った以上に重厚感を感じるはずだ。
2、個性的な戦闘システム
このゲーム、敵に位置の概念がある。
敵は3×3マス上のフィールドにおり、同マス上の敵は同時に攻撃可能。
自ユニットは移動せず、敵のみ移動という概念がある。
× × × ◀1
× 〇 × ◀2
〇 〇 × ◀3
※×がマス目、〇が敵、◀は自ユニット。
キャラクターの行動順は敵含む素早さ順で決定されるが、手番を意図的に遅らせることも可能。ただしデバフがかかる。
自ユニットの技には前後左右に敵を移動させる効果がついた技があるため、それを使って、最善手を選びながら行動を選んでいくのだ。
上記であれば、中央の〇を、◀1のスキルで下に動かす。◀2のスキルで奥に動かすと左端に〇が重なる。そこに◀3の高火力スキルを叩き込むというのがセオリーである。
これがなかなか奥が深い。
敵によっては2マス占領しているものもいれば、動かせない敵もいる。フォーメーションを組んで自身を強化する部隊なんかも出てくる。
そんな要素をふまえつつ、手番を考えながら、連鎖を考え、コマンドを決定していくのだ。思い通りに決まった時はかなり爽快感がある。
キャラクターによって、火力は高いが、敵を移動させる技がない。
逆に敵を移動させる技は豊富だが、火力は低い。など個性があるため、そこそこ編成も楽しめる。
難を言えばちょっとテンポが悪い。レベリングとかはサクサクとはいかない。
シンボルエンカウントで、避ける手段も存在するので、そんなに気にならないけど……。
難易度は高くもなく、低くもない。理解は必要だが、すぐに慣れる。
3、キャラクターがいいやつばっかり!
私的にはここが一番推したいポイント。
このゲームをクリアしたのは半年ほど前になる。
つまりバッチバチのおっさんがプレイしてクリアしたのだが、キャラクターがとにかくみんな良識がある。
正直この年になると、魔晄炉を爆発させて「興味ないね」みたいなのとか(リメイク版進行断念。私もお前に興味ねぇよ!)、通りすがりに女子に向かって「……お前を殺す(デデン!)」とか言ってすぐに自爆しようとするやつ(病院行けよ!)とか、きっついものがある。
かといって「やってやるぜえええウオオオオ!」みたいなテンションも自己投影しづらくて困る。
その点、本作主人公のストックは近年まれにみる良識のある、ちゃんとした大人である。
諜報員のくせに変に屈折もせず、仲間にしっかり感謝もする。
他者の意見に説教するわけでもなく、尊重し、労をねぎらい、時には影でフォローをしながら物事をいいように進めていく。(しかも一人で時間まで超えて)
彼は決して悲観的に物事を嘆いたりせず、かといって舐めてかかる楽観主義者でもない。
ただある現実を見つめて、それにむかって粛々と努力する。
君は人材育成の部署に配置転換するべきだよ!
いい奴だから、当然、仲間はストックを頼り、サポートしていく。
ストックが頑張りすぎないように影で支える仲間、ストックのために過去のしがらみを断ち切る仲間たち。種族も年齢も立場も違う者たちが、恩着せがましくもなく、すごく自然な形で彼を助けようと背中を押していく。
ストックもそれに応えるように、前に進み続ける。
いいやつばっかりじゃねえか!! どうなってんだよ!
うちの会社に人間関係の教科書として配りたいくらいである。
この手のゲームってキャラクター性を出そうとしすぎて、人格破綻者がでてきたりするもんだが、ラジアントヒストリアにそんな奴は存在しない。
悪く言えば没個性的ではあるかもしれないけど、ゲームやってく内に愛着なんて勝手に湧くので、変なキャラ付けされるよりよっぽどいい。
4、とにかくまとまっている!
このゲーム割と長い。
長いゲームは、おっさんが久しぶりに起動したらどこにいるのかわからない問題が発生しやすい。(過去エルデンリング、ウィッチャー3で発生)
※これをゲーマーモラトリアムといいます。戒めましょう。
このゲームは年表とやるべきことが書いてあるので、忘れることがない。
あと長編なんだけど、やっていることは一つのシナリオを正伝、異伝でまっすぐに整えていくことなので、やたら新しい用語が出てきたり、登場キャラが増えたりしないので、話がとっちらからない。
パルスのファルシのルシがコクーンでパージしたりはしないし、有栖川有栖の孤島パズルみたいに何回も登場人物を確認しなくていい。(結局どこの誰が死んだんだ?)
これはラジアータストーリーズで学んだのかな……。
音楽もいい! なんだこれ!
と思ってたら下村陽子先生が関わっているんだから当然のことだった。
5、総評
とんでもない名作ではないかもしれないけど、影に隠れているのもよくわからない傑作ゲーム。Switch移植とかしないんですか?
この出来なら3DS版のラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー(完全版)買った方がいいと思う。
3DS版はちょいとお高いので、試しにならDS版をとにかく見つけたら買ってもいいかと。私は1000円くらいで投げ売りされているのを救出した。
確実に元は取っている。
同時期に買った女神転生4よりは確実に面白い。いや女神転生4も悪くはないんだけど。ルシファーが……ねぇ?
いまなら安く買えるだろうし、ストリートファイター6を買うよりいいんじゃないだろうか。対戦格闘ゲーム。ダメ! 絶対!
※死ぬまでこすりつづけるからなこのネタ。
ザ・リーサルウェポンズが『昇竜拳が出ない』でお礼言っているのもこのお方ですね。
なに? 知らない?
更生!