悪夢を見た。
私はいい夢ってのはほとんど見なくて、大概が仕事の夢だったり、家庭内不和などの夢がほとんどだ。
その度に、夢でくらいいい思いすればいいのにと自分に呆れながら起床する。
人の夢の話って聞いている側は心底どうでもいい内輪ネタに近いもんなので、あまりブログに書くのもどうかと思うのだが、面白かったので書いてみる。
夢の中で私はゾンビアポカリプスに巻き込まれた。
私を含め、数名は小学校に立て篭もることになる。
素人がくみ上げた急拵えのバリケードを破られるのにそう時間はかからず、1階、2階とゾンビたちは侵攻を続け、我々は屋上に物資を運びこみ、救助を待つことになった。
まぁよくある話だよ。
ここで驚いたのが、驚くほど自分が前向きで、起点の効く男だったことだ。食料の配給配分、チーム内の役割決め。そしてゾンビ討伐には必ず自分が打って出る。怖くないわけではなく、誰かがやらねばならぬなら、私がやろう!という潔い決断をスムーズにこなしていた。
拠点は崩壊寸前であり、すでに物資も途絶えている。あらたな物資を求め、小学校拠点を捨てる決断をし、隣接する大規模な建物に屋上から移動することになった。拠点内はすでにゾンビで溢れかえり、室内を建物内を通るのは自殺行為だ。
私は作戦実行のため、隣接の建物の屋上に、電源用コードリールをつかって、ジップライン敷設。「女子供はさがってろ!」なんて言いながら、巧みなワイヤー捌きで滑り降りていく。仲間達もそんな私を信じて、不慣れながら追従してくる。
拠点候補の建物屋上に辿り着いた我々は皆で覚悟を決める。
建物内のゾンビ掃討作戦だ。成功率は決して高いものではないのは、夢の中の私も理解していた。
私の合図で建物内に雪崩れ込み、鉄パイプでゾンビを一掃していく男衆。
それを鼓舞する私。
私の手に握られるのは一振りの日本刀。
思い切り力を入れて振ると、ゾンビは豆腐のように脆い。
これならいけるかもしれない!私たちは生き残るんだ!!
ここで目が覚めた。
夜中の3時である。
夢を見たんだ。
寝る前に「呪術廻戦」を読んだのが悪かったのか。ちょうど乙骨が戦ってたなぁ。
全巻保持してるが魅力がわかんねえ。
流行ってるからもう何回も読み返したけど、よくわかんねぇ。地の文が多すぎてデスノート読んでるくらい疲れる。バトルマンガなのに。おっさんだからかな。
そもそもオレは日本刀なんて触ったことないし、剣道経験もねえ。なんなら野球すらやったことねぇよ。
そもそもなぜ火葬文化の日本にゾンビがいるのか。
日本刀はどこから調達したのか。
ゾンビゲームには必ず日本刀でてくるけど、あんなもんよりバットの方がよくないか?強度的に。
モデルガン好きなオレがなぜ銃を持ってなかったんだろう。夢でくらいトリガーハッピーすりゃいいのに。
謎は深まるばかりだ。
ブタクサの花粉がオレの鼻を塞いでいたためか、ひどく喉が渇いていた。
台所に立ち、ぼんやりとした頭で麦茶を飲む。
もしオレがゾンビアポカリプスに巻き込まれたらどうするだろう。
多分、ゾンビの体液を注射するだろうな。
噛まれるのは痛いからごめんだし、死にたくはないが、常時絶望状態の生のほうがよっぽど応える。映画「ミスト」のラストシーンみたいになるのはごめんだ。
オレが見たいのはこういう夢じゃねぇんだよ!脳みそォ!
美人に囲まれながらキャッキャッウフフしたいわけで、別にヒーローになって、誉高い死を迎えたいわけじゃねえんだ。
脳みそのアップグレードが遅れている。オレの精神性が反映されていない!!
やり直し!!
と二度寝するところで
私の目が覚めた。
時刻は夜中の3時。
どうやら夢の中で夢を見てたらしい。
伊藤潤二先生の短編でこんな話を読んだことがある。
映画「インセプション」を思い出すな。私はディカプリオとは程遠いが。
脳みそを回転させていたせいか、起床後なのにひどく疲れている。
胡蝶の夢オチ、この歳でさすがに勘弁してくれ。
せめて夢でくらいゆっくりさせてくれよ。
ブタクサの花粉が私の鼻を塞いでいたためか、ひどく喉が渇いていた。
台所に立ち、ぼんやりとした頭で麦茶を飲む。
……諸君らに不躾なことをお聞きする。意味不明なことも重々承知だ。
なぁ。この瞬間の、「これ」。
夢じゃないよな?
諸君らは、そこにちゃんといるのか?