おっさんは時間がないとよく言われる。
しかしながらこの考え方は間違っている。
学校だってあった。習い事だってあった。長期の休暇はあれど、学生だって忙しかったはずだ。甘酸っぱい青春を女の子とすごしたり、くだらないことを友人と語らったりするのに大いに時間を消費してきたはずだ。違うか?
違うならごめん。
私たちおっさんは何かにつけて、「時間」というもののせいにしたがる性質がある。
だが、認めなくてはならない。
ないのは時間ではなく、体力なのだ。
大作ゲームが発売されるたび、お金はあるのに買わない現象が起きるだろう。
ファイナルファンタジー!ゼルダ!ペルソナ!女神転生!
あんなに夢中になったゲーム達だ。だがどうだろう!新作発表されるとうれしさよりも、困惑にも似た不思議な気持ちになる。
中学校のあまり接点のない同級生に再会する瞬間
焼肉食べ放題でカルビ3枚でおなかがいっぱいになった瞬間
かわいかった初恋のあの子が、同窓会で別人になっていた瞬間
この感覚のごちゃまぜが新作ゲームたちから襲い掛かってくるのだ。
誰が悪いわけでもない。ただ過ぎていく時間の重みに支えきれなくなった少年の心。 新しく変わっていくものへの順応の難しさ。自分のキャパオーバー。
それがゲームにおける体力不足といえる。
まれにおっさんでも徹夜をしながら新作ゲームをする狂人がいるが、彼らはアスリートであり、選ばれた人間であり、特殊な訓練を受けている。
バーバリアン2号みたいなもんなのだ。あてにしちゃあならない。
しかしながらおっさんはわがままな生き物であり、保守的で懐古的な生き物であるため、いまさらやりつづけたゲームはやめられない。どうしたらいいのか。この満たされない思いを何にぶつけたらいいのか。
こうなるとsteamで買いもしないゲームをうろうろと探し回る状態が生まれる。
私はこれをゲーマーゾンビ現象と呼ぶ。
youtubeでプレイ動画をみる。というのが初期症状でではじめ、最終的にはこうなるため、おっさんは注意が必要だ。
回らない頭、リラックスしたい脳みそ、でもゲームはしたい。
助けてくれ!だれか!
そんな中、私の中で革命的なゲームが発売された。
それがVampire Suvivorsである。
このゲーム、大量に押し寄せる敵を半自動的に倒し、経験値を拾い、レベルを上げ、装備を強化し、ただひたすら敵を倒し続けるというゲームである。
これがとてもよかった。
脳の思考リソースは100中10くらいで済み、謎の爽快感がある。複雑なルールも覚えなくていい。しかもクッソ安い。これはおっさんのためのエリクサーなのではないかと思った。
私はゾンビから人間に戻った。
かと思われた。
人間とはかくも罪深い。こんなにもいいゲームが発売されたというのに。
慣れてくる。麻痺してくるのだ。
それを証明するかのように数々とVampire Suvivorsライクなゲームが乱立していく。でもどっか違う。何か違う。
再度ゲーマーゾンビになりかけていた私に一筋の光がさした。
天使。そういってもよいかもしれない。それがこれBrotatoである。
はっきりいう。
ちょっときもいよね。
ゲームルールはシンプルで、敵が襲い来るウェーブを生き残り、資材を獲得する。資材を使用することで武器、アイテムを購入したり、ステータスを上昇させることができるのだ。このアイテム、武器の表示はランダムであり、毎回スロットを回す楽しみが用意されている。
アイテムによってはステータスが下がる効果もあり、自分のキャラをどういった育成していくのかをある手札のなかで考えていかなくてはならない。
無駄にキャラクターが多いのも特徴的で、ビルドを作るのにいい具合のスパイスになる。Vampire Suvivorsよりビルドに重きを置いているゲーム性なのだ。
そしてなにより私が最高だと思った点。
このBrotato。キャラクターは6つ武器を装備できる。(芋って手多いからね)
武器には簡単な属性があり、同一の属性でそろえると、ボーナスが付くようになっている。(6つ銃属性でそろえると+50遠距離など)
そして同一の武器をそろえた場合、その武器のティアを1ランクあげることができる。これはティア4まで強化ができる。
ティア1+ティア1でティア2。
ティア2+ティア2でティア3。
といった具合。
同じものをそろえ、強力な攻撃力を作っていく。
これどっかで見たり、聞いたことないだろうか。
おっさんがこよなく愛し、おっさんとのシナジーが高いアレ。
そう麻雀である。
このゲーム。スロット回しながら、麻雀できる神ゲーなのである。
こんなおっさんのためのゲームあっていいんもんだろうか。
ウェーブの攻略なんてもう些末なものである。
早く、早くツモらせてくれ!
そしてお目当ての武器やアイテムがきた瞬間。
頭の中で稲妻が走るのだ。
このゲームのBGMを消し、好きなyoutubeや音楽を楽しみながら、次のツモを待つ。
これがニューウェーブおっさんのたしなみ。
おっさんゲーマーたちは一度試してほしい。
若いゲーマー?
APEXかVALORANTでもやってなさい。
君たちがここに来るのはまだ早すぎる。