ミソジノハカバ

脳内のガラクタ置き場。フィクションとノンフィクションが入り混じったカオスです。ゲームの話が多いですが、おもしろいと思ったことはなんでも書き留めます。

【マンガ】「サクラテツ対話篇」を語る

諸君ら、ギャグ漫画は好きかな。

私は大好きだ。

 

メジャー所の「うすた京介先生」の「すごいよ!マサルさん」、「増田こうすけ先生」の「ギャグ漫画日和」。「佐々木倫子先生」の「動物のお医者さん」など一通り読んできた。

マニアックなところで行くと「美川べるの先生」の「ストレンジ・プラス」。「尾玉なみえ先生」の「少年エスパーねじめ」、「純情パイン」などが好きだ。

この辺が私のお笑いセンスの根幹を担っている作品群だ。読んだことない人はぜひ読むことをオススメする。

結果、私が面白い人間になったかは別問題だ。触れるんじゃない。

 

こう見ると女性の描く日常漫画ってのは独特で面白いものが多い。

ブログも女性の書くエッセイは私には出せないテイストがあって、すごく勉強になる。

 

しかし、ここでもあえて上記は触れぬ。そこをあえて外した漫画を紹介しよう。

諸君らももっと刺激が欲しいだろ!?

 

わずか2巻という短さに

 

金の亡者

ボケた爺さん

座敷童

地縛霊

神の国からきた怪獣

NOといえる日本国大統領

魔界のプリンス

鏡の国から出てくるブリーフ一丁の変態ナルシスト

尻の穴の神

地底人

宇宙海賊

未来人

漫画の神

読者

 

が登場人物として組み込まれ、果てには主人公が別の漫画の主人公になってしまうぶっ壊れた漫画。

あるんですよ奥さん。

それがサクラテツ対話篇である。

 

 

 

あらすじ

公式サイトより引用します。素人には文章化が難しすぎる。

サクラテツ対話篇
藤崎竜
【ひとつの土地をめぐり、異種大乱戦が始まる!】都会の一等地に佇む1軒のボロ屋、そこに家族と住んでいるのは金の亡者・桜テツ。彼は家の維持のため、1日3時間睡眠でバイトに励み生計を立てていた。ある日、家の上空に未来からの侵略者が現れ、土地の権利を主張してきた! さらには、宇宙海賊や地底軍までやってきて…!? 大乱戦バトルコメディ!

引用元:ヤンジャン

ynjn.jp

1話無料で読めるみたい。ぜひ時間つぶしにどうぞ。

 

改善の余地がない程に壊れた漫画(自称)

「このジャンプの中にあるサクラなんとかとゆう漫画!!これは改善の余地がないほどに壊れた漫画なのです!!

まず主人公サクラテツはたぐいまれなるバカ者!!

あんなに不思議なことが起こっているのにバイトしかしておりません!!

普通の主人公なら不思議をつきとめるとか戦うとか恋愛するとかしてるはずです!!」

「な…なんだと!!!?」

「そんなダメな主人公を我々は野放しにしていたのか……!!」

 

引用:サクラテツ対話篇 下巻より一部抜粋

「いや本当にそうだよ」と言わざるを得ないくらいにめちゃくちゃな漫画で説明が難しい。

 

作者の「藤崎竜先生」は言わずと知れた「封神演義」の作者。

次作の「ワークワーク」も好き。今度語るかもしれぬ。

小説原作の「屍鬼」、超名作「銀河英雄伝説」をコミカライズしている。

繊細な線、圧倒的なキャラデザイン力、メカ描写、美麗な背景、センスの塊である大先生。超すごい人である。

そんな人が全力でふざけているのが本作である。

天才の脳みそを無秩序にぶちまけたこの漫画はある意味超貴重なのだ。

 

本作は1話完結のオムニバス形式のように進んでいくのだが、基本的に主人公サクラテツの家に変人がやってきて、それをサクラテツが追い返すという流れが続いていく。

 

最終回に至っては作者と作品名が変わる。

タイトル「荒野の砂漠水一滴も無し」、作者「新藤崎竜」である。

どうやったらこういうことになるのか。ぜひ読んでみてほしい。

ちなみに私は読んでいても意味が分からない。

でもマジでこれをジャンプ本誌でやった時、驚愕と笑いがこみあげて複雑な思いをしたのを覚えている。

 

本当に藤崎竜先生の頭の中をごちゃーっと紙にバラまいたような内容で、作品として一貫性があるようなないような、独特の混沌が味わえる。

人って本当に理解できないものに遭遇すると「笑う」んだ。

登場人物や物がなぜかほぼ思想家、哲学家の名前。どうなってんだ。

私は今でも電子書籍で買いなおして、元気がないときに読んでいる。

 

ハイスピードで進むギャクコメディ

この作品、本当に2巻しかないの!?ってくらいぎゅっと詰まっている。

藤崎竜先生の脳みそを花山薫がぎゅっと絞って出てきた雫の一滴みたいな印象である。

とにかく会話の言い回しが好き。

 

「変態ゾヨ!!変態がデタゾヨーっ!!」

「いやねぇ何をいまさら…今までさんざん変態はでてきたじゃないの…」

「今回のはかぎりなく犯罪に近い真性の変態ゾヨーっ!」

「犯罪者のどこが悪いのっ!!」キッ

サクラテツ対話篇 下巻より抜粋

何言ってんだこれ。

これを3コマでやるんだよ。速いんだよ。

「フン!だらしのないやつらめ!!露出する価値もないわ!!」

「ちくしょう 良心(パンツ)をタテにとられてはたちうちできん!!」

サクラテツ対話篇 下巻より抜粋

文字起こししながら何を書いているのかわからなくなり、虚無ゾーンに入ってきた。

 

ちなみに私は「尻の穴の神」の回がお気に入り。

尻の穴で東大にはいれますように!!

尻の穴通学させてくれ!!

本当に何いってんだよこいつら……。

作中のキャラクターのやりとりのテンポがあまりによい。壮絶な画力でポンポンと話が展開していく爽快感がある。

よくこれを週刊でやっていたなぁと感動してしまう。

 

デザイン力があまりにも高すぎる!

この漫画、ジャンルの違う登場人物が大量に出てくる。

しかしながら、どれも魅力的で、デザインがあまりにもかっこいい。

なんなら自衛隊から飛んでくる飛行機ですらかっこいい。

画集としてかってもいいくらいである。

「スペースチャンネル5」好きなんだろうなぁというのがひしひしと伝わってくる。

近未来的なSFメカ、衣装デザインを描かせたらこの人に勝てる人はそういないと思う。もはやポップアートの域に達していると思う。

それを楽しめるだけでも価値がある漫画である。

 

会社で疲れた大人たちへ

上下巻でおわる短さ。

ジェットコースターに乗ったような感覚……?

負い剥ぎにあったような感覚……?

とにかく、なんとも言えない想いが去来する漫画。

これを読むと大概のことがどうでもよくなる。

ぜひ読んでみてほしい。

 

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