パースを意識して、自分の表現したい空気感がでるようにとテーマを決めて描いた。
型落ちの古いサイバネのメンテにも目途が立った。
一息つくために合成煙草に火をつける。
修繕といっても限界がある。
そろそろ買い替えを検討するべきだ。
シャフトも曲がってきてるし、旧式を今のドライバで無理やり動かすにも限度がある。
ひざ下サイズのサイバネ。安物でも1年分の給料が必要だ。
そこに金を使うなら、それよりも安定した寝床が必要かもしれない。
地に足つけりゃ、重機械企業連合傘下の工場でそれなりの給料を得ることができるだろう。
ただ、私のような難民が連合に雇われるには、市民証を発行しなくてはならない。
それには管理区画での居住地と、居住実績が必要だ。
今、住んでる(不法占拠)のは第三調整区画に打ち捨てられた団地の一室。
床に目をやると、支払い督促状。
反射的に目を逸らすと破れかけたポスター。
「覆面ロボ ジャガーグレイト」と目があった。
思わずため息が漏れる。
夢を見る前に、金を払わないと。
そして夢をみながら、金を稼がなくては。
というのが私の考えるこのイラストの物語。
もっと小物を描かないと説得力がでないなぁ。
でも下手は下手なりに楽しい。